2025.12.18
地域日本語教室には、さまざまな顔があります。 日本での生活をはじめ、将来の夢や、いわゆるライフプランといった「これからの暮らし方」を考える段階にある 20代・30代の外国人市民が多く通っています。 各教室は「日本語を学ぶ場」であると同時に、日本社会との最初の「入り口」であり、 日本の文化に触れ、地域の人と出会う場でもあります。 ときには、暮らしの中の悩みを受け止める「相談室」のような役割を果たすこともあります。 しかし、その場に「来ている人」よりも、「来られていない人」のほうが多いのも現実です。 これまで以上に多くの外国人市民が暮らすようになった現在、世代や言葉、文化が異なる人たちが、 同じ地域で共に生きていくために、私たちには何ができるのでしょうか。 より良い運営のための視点を得ながら共に考える場として、今回の連続研修を開催します。 見ようとしてもなかなか見えない外国人市民の存在に思いを巡らせ、 地域日本語教室の可能性をより豊かに広げるために、ぜひご参加ください。 === 🔷第一回:1月10日(土)14:00-16:00 講師: 原 文次郎さん(反貧困ネットワーク 外国人支援担当理事) タイトル:言葉を教える、その前に ~当事者の背景に目を向けよう~ 内容:日本語教室では、つい「おしえる」ということに意識が集中しがちですが、 その前に、目の前にいる人間に対する想像力をもっておくことが望まれます。 外国人市民の取り巻く状況には、普段私たちが想像も及ばないことが多くあります。 支援団体で、苦境にある外国人市民のサポートをしておられる原さんから、 さまざまなケースのお話を聞き、外国人市民がどのような状況にあるのかを学びます。 「ともに生きる」ための前提となる視点を培う機会にしたいと思います。 🔷第二回:1月18日(日)14:00-16:00 講師:田中 雅子さん(上智大学総合グローバル学部教員 社会福祉士) タイトル:リプロダクティブ・ジャスティスの視点から日本の地域社会を見る 内容:日本で生きる外国人には、生活者として生きている人たちがほとんどです。 彼らにとって、日本で「人生設計」をしていくための視点が不可欠です。 誰もが自分らしく、自分の選択を認識して、それを行使できること(リプロダクティブジャスティス)を、 特に弱い立場に置かれる外国人女性に伝える役割を担ってきた田中さんに、 彼らから見える日本の「地域社会」についてのお話を伺います。 🔷第三回:1月30日(金)13:30-16:30 講師:高向 有理さん(西日本短期大学別科日本語研修課程別科長 日本語教師) タイトル:テキスト「外国人のための 日本語で学ぶライフプランー健康で安心して暮らすためにー」を使った実践のヒント 内容:テキスト「外国人のための日本語で学ぶライフプラン」を制作することになったきっかけ、 また日本語学校で若い留学生と出会うことで見えてきた日本社会について、テキストを実際に用いながら、 日々の活動で日本語教室に関わるボランティアのできることを考えます。*本講座は、「外国人受入環境整備事業」及び、「地域日本語教育推進事業」の一部を財源として実施しています。