(公財)箕面市国際交流協会MAFGA

2023.05.02

2022 年度インターン活動報告 MAFGA インターンを終えて ( ヂン・ティ・チャム・アイン )

(めろんNo.188記載)

 協会では、毎年インターン生を受け入れている。今年度も、センターでの来客対応や事務作業、外国にルーツのある子どもたちのサポート活動、カフェを使った交流イベントの企画実施などを担うインターン生を2 名募集する(5 月 8 日〆切)。もちろん、国籍、年齢、性別は問わない。今までにも、多様なルーツをもち、協会以外でさまざまな経験をしてきたインターン生が活躍してきた。今号では、2022 年度インターン生のヂン ・ティ・チャム・アインさんから寄せられた活動報告を紹介する。

多民族フェスでのひとこま。 左がヂン ・ティ・チャム・アインさん 私の MAFGA でのインターンシップが終わりを迎えた。時間があっという間に過ぎて、この1年間携わった様々な活動を振り返ると、懐かしい気持ちがいっぱいだ。
私がインターン期間中に地域相談チームのメンバーとして深く関わることができたのは、地域交流事業と相談事業だった。

 地域交流事業に関しては、地域市民の異文化理解促進を目的とする様々なイベントの開催に携わった。まず、MAFGA の最も大きなイベントである多民族フェスティバルにステージ運営側として参加した。「世界のファッションショー」では皆と共にスリランカ、ベトナム、タイ、ウイグル民族など 10 の伝統的な民族衣装を紹介できた。嬉しいことに、この写真は箕面市のもみじだよりの表紙に載せられた。

 また、ベトナムの文化を紹介する「ベトナムデイ」と「ベトナムのお正月テトを楽しもう」という2つのイベントの開催にも貢献できた。どちらもベトナム人市民の協力のおかげで無事に行うことができ、多くの人を引きつけた。色々な人がイベントを楽しむところを見ると主催者側として達成感に満ち溢れる一方、ベトナム人として母国の文化が積極的に受け入れられているため、その場に来ている日本人との距離がなんとなく縮まっていると感じた。「受け入れられる」ことは、口に出さなくても誰でも、特に外国で生活している外国人が求めていることだと私は考える。

 生活相談業務では、ベトナム語の通訳・翻訳を行った。私が行ったのは通訳・翻訳のみであったが、相談者の悩み解決に少しでも役に立てたのなら嬉しい。残業代の不払いなど不当な扱いに遭った外国人労働者の中には、一人でずっと我慢したり、会社から逃げて不法残留となったりする人が多く報告されている。その中で、困っているベトナム人労働者が MAFGA へ相談に来て、一緒に解決策を考えてくれることは相談を受ける側としてありがたいことだと感じる。

 現在日本は、多様な民族・文化を有する人が暮らしている。彼らは、様々な理由・目的で来日し、それぞれが異なる悩みやニーズを持っている。政府の支援政策があっても、一人ひとりに寄り添うことが非常に難しく、多言語相談等の活動を通じてサポートできるMAFGA のような組織は重要な役割を果たしていると考えられる。また、「テト」や「どっぶりスリランカ」などイベントを開催することで、皆が異文化を体験しながら楽しい時間を過ごせることはもちろん、そのような国と文化に対して地域の人々の関心・好感度が上がると期待できるだろう。国と文化への好感を抱くと、その国出身の人に対して皆がより寛容な態度を取りやすい。さらに、周りの偏見と誤解に対して「いいえ、それは違う」とか「その習慣は○○の考えに基づいているからだよ」などと声を上げられるようになるだろう。それは小さな行動だが、多文化共生社会の形成につながる重要な一歩だと考える。

 どの国にも一長一短があると 7 年間外国で暮らしている私はよく認識している。ベトナムでも日本でも同じだ。しかし、MAFGA での 1 年間のインターンシップを通して職員やボランティア、イベントの参加者など MAFGAに関わる様々な方々に出会い、話した経験から、お互いの敬意と尊重を礎にした多文化共生社会が日本でいつか実現できると自信を持って考えられるようになった。社会問題の解決は本当に難しいが、皆の協力があれば必ずできると確信している。

 MAFGA で得られた様々な体験と貴重な人間関係を大切にしながら前に進みたいと思っている。この 1 年間本当にありがとうございました!また皆様と MAFGA で会えるのを楽し
みにしています。