(公財)箕面市国際交流協会MAFGA

2022.02.27

多文化体験~食でつながる、この人、この世界~タイのお正月は何を食べる?

(めろんNo.173記載)

キューズモール2階のフードコート内に、誰でも自由に利用できる地域の集いの場(キューズリビング)が新設された。35㎡のこじんまりとした部屋にミニキッチンが付いている。協会も、キューズモールを運営する東急不動産から声をかけて頂いたので、comm caféのシェフを講師に月1回テーマを決めて楽しい講座を開いている。1月は、タイ出身のコブさんに「タイの正月」について語ってもらった。参加者は、お子さん連れで毎回参加している人、タイに住んだことのある中学生と多彩な顔ぶれだった。

 

 タイは1月1日や旧暦の正月ではなく、お釈迦さまの誕生日(花祭り)の3日間を盛大にお祝いする。この日に観光目的で訪れるのは、店などもみな閉まっているから避けたほうが良い。お祭りを体験するならお薦めである。

正月料理として特別なものはないが、やはり縁起の良い食べ物が好まれる。たとえば、もやし。参加者からは「えっ?」と驚きの声。もやしは日本ではどちらかと言えば、値段も安く料理としてもごちそうとは言えない。もやし料理を出して「また、もやしかぁ!」と家族から言われた人も多いだろう。しかしタイでは成長が速く、早く立派な大人になれると非常に好まれるごちそうである。逆に日本人が好きな『トムヤンクン』はタイではそれほど食べられていないそうだ。「混ざるのは良くないの、人が混ざったら喧嘩が起きるでしょ?だからお正月には食べません」なるほど、「所変われば品変わる」と納得。必ず食べられるデザート『さつまいもの甘煮』は四角くきざんださつまいもにたっぷり砂糖を加えて煮る。柔らかくなったらフォークで潰す。「必ずフォークで潰してね。少しくらい粒が残ってもかまわないから」と言われ、参加者も手伝う。ラップで小さく包んで絞るのは、日本の茶巾絞りに似ている。その他『ココナッツ&バナナを固めたもの』、『甘いホットミルクティ』。タイの人は、甘いものが大好き。「今日は熟したバナナがなかったので、本当はもっと甘いのだけれど」これらタイのデザート、甘すぎるのでは?と思いながら食べてみると、これが不思議に美味しい。私たちの知らない、タイの正月の話は本当に楽しかった。

コロナの感染を防ぐため、今日も参加は午前・午後とも5名に限られたが、もっとたくさんの人に体験してほしい。Comm caféではシェフは非常に忙しく、なかなか話を聞くこともできないが、ここはシェフの話をたっぷり聞き、人柄に触れる事のできるステキな場所である。